氷がとけるように。
新しい車が来て１週間が過ぎた。
お礼しなさいよと言ったお母さんの言葉に従い工藤に菓子折りを持って行く事にした。


自分の車って愛着がある。前はお父さんの車を借りていると言う感覚だった。


運転も苦にならない。
好きな音楽を聴きながら工場に向かった。


「こんにちは」


外で作業していた社長の健史さんに挨拶をする。


「こんにちは。…木村さん…でしたよね。俊介ですよね。ちょっと待ってて下さい」


私に近付きながら挨拶して事務所に工藤を呼びに行ってくれた。


「木村ー。中に入れよ」


ドアから顔を出した工藤が私を呼び、事務所に向かう。


10月に入ったとは言え昼間はまだまだ暑い。
額に汗してた健史さんがタオルで拭きながら事務所から出てきた。


私と入れ替わりなり
ゆっくりしていってくださいと言ってくれた。

会釈して笑顔で応えた。



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