氷がとけるように。
「木村さん、料理とかするの?」


「しないイメージに見える?」


するよって簡単に言えばいいけど山下君にはどう見えてるのか質問に質問で答えた。


「実家に住んでたらお母さんが作るの食べるだけって女の子、多いって聞くし」


そう言う事ね。
私が料理も出来ない、しないって思われてるんじゃないのには安心した。


「女の子って歳じゃないし、それなりに作るよ。一人暮らしも長かったし、自炊しなきゃいけない状況だったしね」


「そうなんだ。俺も簡単な物なら作れるけどやっぱりコンビニとかお惣菜とかに頼っちゃってるな」


「山下君なら作ってくれる人すぐ見つかりそうなのに」


「それを言ったら木村さんだってすぐ見つかりそうじゃん」


「なんか、独身同士で慰め合ってるみたいだね」


可笑しくなり笑ってしまった。


男と女の独身。
周りから見たらどう思われるか解らないけど共通する所が山下君とはある。


なんとなく仲間意識を山下君に持っていた。




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