氷がとけるように。
エスカレーターに乗り途中で振り返り由紀さんに会釈した。


私を見ていた由紀さんと目が合った。
まだ工藤は戻って来ていなかった。


お母さんが待ってるって言ったのは言い訳かもしれない。確かに待ってはいるんだけど…。


見たくなかった。


工藤と由紀さんが一緒にいるところ。
たまにくる工藤のメールに親近感を覚えてた。


高校時代の延長に工藤を感じていた私。


なんだろう。この感じ。
モヤモヤする気持ち。


あー、もうー。


工藤の気まぐれなメールが悪い。
このモヤモヤした気持ちを全部、工藤のせいにする。


気持ちを切り替えてお母さんの所に急いだ。





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