氷がとけるように。
「由紀がややこしい結婚するからー」


「なんで私なのよー。俊介が言わないのがいけないんでしょっ。木村さんが誤解してたのがそんなに嫌だったの?」


「そう言う訳じゃねーけど…もういいよ、誤解解けたんだし」


ケーキが運ばれてきてそれぞれコーヒーと紅茶を飲んだ。落ち着いた所で山下君が口を開いた。


「工藤は仕事何してるの?」


「整備士」


「へぇー。車好きだったんだ」


「社長の影響かな。子供の頃から雑誌見てたから、それで」


「羨ましいな。好きな事を仕事にしてるって」


「そうかぁー。山下は何してんの?」


羨ましいと言われ満更でもない工藤の笑顔。


「信用金庫」


「すげーじゃん、山下。中々入れないんだろ、信用金庫とかさ」


「たまたまだよ。俺の時、採用人数が多かったし」


驚いてる感じの工藤に淡々と話していた山下君。

「それにしてもすごいだろ」


銀行や信用金庫は地方の仕事の花形。
それは昔も今も変わらない。


そんな考えもあって工藤は驚いてたのかもしれない。













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