氷がとけるように。
仕事帰りのこの時間が1番レジが混んでいる。
前の人のカゴの中をチェックして少な目な人の後ろに並ぶ。


「あらっ、七海ちゃんお買い物?」


近所のおばさんに後ろから声を掛けられた。


「こんにちは。秋刀魚が安かったから夕御飯にしようと思って」


「おばさんも買っちゃった。焼くだけだからね。簡単でいいもんね。たまには手抜きしなくちゃね」


ですね~と話を合わせる。


レジまだかな?


疲れた顔で愛想笑いも疲れる。
一人暮らしには無かった煩わしさ。


しょうがないか。実家に住んでるから近所付き合いも大切だな。


レジが終わるまで話の相槌をした。


なんでおばさんって話が止まらないんだろうと思いながら。


って、私もおばさんの部類か~と少し落ち込みながら。

















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