氷がとけるように。
「俊介の少しちょうだい」


「自分の食べただろう」


「私は2人分食べなきゃいけないの。赤ちゃんの分と」


「いっつも赤ちゃんの分って言って、結局は自分の分だろ」


ぶつぶつ言いながらも半分あったケーキを由紀さんに渡してた工藤。


やっぱり仲いいし、夫婦だって勘違いしちゃうよ。
今までと違いほほ笑ましく思う私がいた。


「今日、社長さんは仕事ですか?」


「用事があって出掛けてます。今日はチャイルドシートを見に来て暇してた俊介を誘ったんです」


前に座って居る由紀さんに話掛けた。


「木村さん。
俊介の知り合いだし私達も友達になりませんか?」


「はい、もちろん」


「じゃー、今から敬語はなし。七海さんって呼んでいい?」


「…うん、いいよ」







< 80 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop