氷がとけるように。
工藤が眼鏡を上げるのを見ていたら目が合い反らされた。


「山下君はね、私の職場の担当者なの。2ヶ月前に山下君が担当になって偶然再会したんだ。ねっ、山下君」


「そう。今日は俺の買い物に付き合ってもらったんだ。姉貴が赤ちゃん産んでプレゼントを買いに」


「そうだったんですね。お2人お似合いだから、てっきりそうかと思っちゃった」


傍から見たら私達は恋人に見え
工藤達は夫婦に見える
そう思うと可笑しかった。


その後は工藤と山下君の話で笑った。


修学旅行で枕投げして誰かが投げた枕が工藤の顔面に当たり鼻血が出た事。


バスの中で歌った歌が非常に音痴だったらしい山下君。


2人は2年生の時、同じクラスだったようだ。


高校の頃に戻ったかのように懐かしい気分になった。








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