氷がとけるように。
優しいお父さんだった。
私のする事にいつも賛成してくれて。


『七海の好きなようにしたらいい』


家を出て就職したいと言った時も反対したお母さんを説得してくれた。


「お父さんっ子だったんじゃない?七海さん」


「そうだったかも。2人して近所のスーパー行ってた。お母さんには内緒でアイス食べたり、お菓子買って貰ったり。

その後、私がご飯食べないからお母さんに見つかったりして今思い出すと笑っちゃう。

毎月でるマンガ雑誌も毎回買って来てくれてた。

一人娘にアマアマな典型的なお父さんだったのかも」


「いい思い出だね」


「うん。そうかも」


懐かしい思い出が頭に浮かんだ。


お母さんが叱り担当でお父さんが慰め担当だった気がする。拗ねてる私にソッと近付いて笑わせてくれてた。ブッと笑った私にもっと笑わせようと変な顔したり。


懐かしいな。


思い出すのは病気だった頃のお父さんじゃなくてちょっぴりメタボなお父さん。












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