氷がとけるように。
「テスト前になると私の機嫌取ってノートを借りに来て、渋々私も貸してたの。

でもいっつも工藤君の成績の方が良くてさ。
木村とは頭の作りが違うからなって言われてそれからしばらくノート貸してあげなかった。

それに授業中に腹減ったとか、眠いとか書いた紙くずを投げられたり。

本当いい迷惑だった。
最初の席が私の高校生活を駄目にしたのかも」


喋り過ぎて紅茶で喉を潤す。ぬるま湯で飲みやすくなっていた。


「俊介も青春してたんだ。なんか笑っちゃう」


「こっちは笑えないよ。工藤君のせいで友達に勘違いされて。工藤君と付き合ってるの?って。違うって言ってもからかわれて」


全然そんな関係じゃなかった。
恋愛の雰囲気なんて微塵もなかった。


ただのよく話すクラスメート。














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