依存症人生1

復讐の決意

別れを覚悟した。大事な人なのに、傷つけた。
謝る言葉が見つからなかった。

でも・・・秀樹は言った。
「やり直そう。許すから。」

「え?」
耳を疑った。

「俺はやっぱり、お前が好きだから、別れることは出来ない。
 お前たちを会わすことは、もうできないけど…。
 今回のことは許すから、なかった事にしよう。。」

言葉が出なかった。申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
絶対、失ったと思ったのに。

私は、もう決して、この人を裏切っちゃいけないと思った。
本当に、大切にするべきは、この人なんだ…。

「ありがとう。」
私は、彼の提案に甘えた。

ココロを入れ替えようと思った。
今度こそ、絶対に、この人を…。

そう思ったのが間違いだったんだ。

それが、私を許せなかった彼の復讐の始まりだってこと
気付けなかった。

短く、少しぎこちない幸せが訪れて・・・

やっぱり大好きだって思えた頃に
彼の態度が不自然に冷たくなっていって…

会えない日や、早く帰る日が増えていって…

明らかにおかしいなって、思い始めて。

不満を言ったら、喧嘩になって、
エスカレートして別れ話になって・・・

強がってカマかけたんだ。
「どうせ、浮気してるでしょ?
 何人、女おるん?
 最後ぐらい、ホントのこと言ってや。
 どうせ、別れるんだから。」

正直聞くのは、怖かった。
もしかしたら、ホントに女いるの?

「10人。」

「はぁ?」

「10人付き合ってる。」

絶句。初めて付き合った人に・・・10股かけられた。

私がきっかけを作ったかもだけど…

「おれ、お前がヒロと、ああなった時から、ずっと決めてた。
 もっともっと俺のこと好きにさせて…
 ボロボロにしてやろうって・・・。」

< 6 / 66 >

この作品をシェア

pagetop