依存症人生1
貢ぎ始める
秀樹は、気分次第で優しい時もあった。
でも、次に会う女の予定がある場合は、泣いてとめる
私を無視して、サラリと帰っていった。
何度も別れよう、嫌いになろうと頑張った。
それが通じてか、いくらかの女とは手を切った。
が、最後まで残った一人の女とは、中々、切れようと
しなかった。
年上で、デート代を出してくれる。
欲しいものを買ってくれる。
そんなことを誇らしげに、話していた。
「じゃあ、私が買えば、別れてくれる?」
高1になったばかりの私に、そんなお金はないのだが…
負けたくなかった。
「どうやって?」
「テレクラ(電話版・出会い系)で稼ぐ。」
「他の男と、やったら別れるよ?」
「やらんよ、会うだけ。」
体を売る気は、なかったが、会うだけと言っても
そう簡単なものではない。
リスクは付き物。
彼は、止めなかった。
会うだけ、お茶だけ、ドライブだけ…。
3000円で約束して、ひたすら知らない人と会った。
中には、ホテルに行った人もいたが、一応、何もなく
お金をくれた。
15歳の私には解らなかったが、ただ、それはとても運が
良かったんだと思う。危険なことをしていた。
「あの漫画が全巻欲しい。」
秀樹が言った。
20巻ほどあるその漫画は、買えば結構な額だ。
「買えんのなら良いよ。もう一人の彼女に買ってもらうから。」
「わかった、買えないけど…盗ってくる。」
彼は、止めなかった。むしろ、成功してその本を手にした時、
とても喜んでいた。褒めてくれた。
彼が言うことにノーと言うと「別れる。」と、言われる。
もはや、奴隷状態だった。
そんな中、ゲーム好きの彼が、当時、発売したばかりの
プレイステーションが欲しいと言い出した。
5万前後だったと思う。
さすがに買える気がしなかった。
でも、彼のおねだりは、いつもより必死で…
「これ買ってくれたら、お前と結婚する。」
そんなもんなくても、結婚しようねと言っていた頃の
二人には、もう戻れない…。
それでも彼の愛が欲しかった。
「少し、時間がかかるよ。」
毎日数件、3000円の出会いを繰り返した。
みかねた女友達が
「一緒に行くよ。その方が気持ち的にも楽だろうし…
お金も一気に倍、稼げる。」
「でも、もしものことがあったら…悪いから。」
「その時は、一緒に逃げよう。」
ホントは厚意に甘えちゃ、いけなかったんだ。
友達に、そんなことさせちゃ…。
でも、当時の私には、ただただ涙が出る程ありがたくて。
暇なときは彼女も手伝ってくれて…
それでも足りないから、姉の貯金箱からも、お金盗んで。
やっと、お金がたまった最後の出会いで、事情を聴いた優しい
おじさんがゲームショップまで連れてってくれて、
私はついにプレステを買ったんだ、言われたソフトも忘れずに。
おじさんが、「君の欲しいソフトも1本買いな。」って
私に買ってくれたのが、まるで、それまで頑張ったご褒美のように
思えた。本当、良いおじさん。
秀樹は、喜んで、褒めて、抱きしめてくれたけど…
ゲームしながら大満足そうだったけど…
私の中で、何か弾けたんだ。
このままじゃ、いけない。
いつも思ってたけど、この時、私は決意した。
スグには無理でもいつか…
「別れる。」って言われたら「うん、良いよ。」って…
彼の驚く顔を見て、あっさり捨ててやろうって…。
私に復讐を決めたときの彼も、こんな気持ちだったのかな。
でも、次に会う女の予定がある場合は、泣いてとめる
私を無視して、サラリと帰っていった。
何度も別れよう、嫌いになろうと頑張った。
それが通じてか、いくらかの女とは手を切った。
が、最後まで残った一人の女とは、中々、切れようと
しなかった。
年上で、デート代を出してくれる。
欲しいものを買ってくれる。
そんなことを誇らしげに、話していた。
「じゃあ、私が買えば、別れてくれる?」
高1になったばかりの私に、そんなお金はないのだが…
負けたくなかった。
「どうやって?」
「テレクラ(電話版・出会い系)で稼ぐ。」
「他の男と、やったら別れるよ?」
「やらんよ、会うだけ。」
体を売る気は、なかったが、会うだけと言っても
そう簡単なものではない。
リスクは付き物。
彼は、止めなかった。
会うだけ、お茶だけ、ドライブだけ…。
3000円で約束して、ひたすら知らない人と会った。
中には、ホテルに行った人もいたが、一応、何もなく
お金をくれた。
15歳の私には解らなかったが、ただ、それはとても運が
良かったんだと思う。危険なことをしていた。
「あの漫画が全巻欲しい。」
秀樹が言った。
20巻ほどあるその漫画は、買えば結構な額だ。
「買えんのなら良いよ。もう一人の彼女に買ってもらうから。」
「わかった、買えないけど…盗ってくる。」
彼は、止めなかった。むしろ、成功してその本を手にした時、
とても喜んでいた。褒めてくれた。
彼が言うことにノーと言うと「別れる。」と、言われる。
もはや、奴隷状態だった。
そんな中、ゲーム好きの彼が、当時、発売したばかりの
プレイステーションが欲しいと言い出した。
5万前後だったと思う。
さすがに買える気がしなかった。
でも、彼のおねだりは、いつもより必死で…
「これ買ってくれたら、お前と結婚する。」
そんなもんなくても、結婚しようねと言っていた頃の
二人には、もう戻れない…。
それでも彼の愛が欲しかった。
「少し、時間がかかるよ。」
毎日数件、3000円の出会いを繰り返した。
みかねた女友達が
「一緒に行くよ。その方が気持ち的にも楽だろうし…
お金も一気に倍、稼げる。」
「でも、もしものことがあったら…悪いから。」
「その時は、一緒に逃げよう。」
ホントは厚意に甘えちゃ、いけなかったんだ。
友達に、そんなことさせちゃ…。
でも、当時の私には、ただただ涙が出る程ありがたくて。
暇なときは彼女も手伝ってくれて…
それでも足りないから、姉の貯金箱からも、お金盗んで。
やっと、お金がたまった最後の出会いで、事情を聴いた優しい
おじさんがゲームショップまで連れてってくれて、
私はついにプレステを買ったんだ、言われたソフトも忘れずに。
おじさんが、「君の欲しいソフトも1本買いな。」って
私に買ってくれたのが、まるで、それまで頑張ったご褒美のように
思えた。本当、良いおじさん。
秀樹は、喜んで、褒めて、抱きしめてくれたけど…
ゲームしながら大満足そうだったけど…
私の中で、何か弾けたんだ。
このままじゃ、いけない。
いつも思ってたけど、この時、私は決意した。
スグには無理でもいつか…
「別れる。」って言われたら「うん、良いよ。」って…
彼の驚く顔を見て、あっさり捨ててやろうって…。
私に復讐を決めたときの彼も、こんな気持ちだったのかな。