~天使ロード~
「ごめんなさい
私、池治先生の事覚えてないです」


「いいんだよ、気にしなくて
それにもう…
それより、美桜は進路先どうするのか決めた?」


それにもう…何だか悲しい響き。
悲しい音楽が胸の奥で小さく演奏している気分。


「あ、はい…
実は私、看護師になろうと思うんです
お父さんを小さい頃癌で亡くしてるから、癌におかされている人達を助けたい

少しでも長生きして欲しいから
今は色々と薬の処方や機械の設備も変わってきている時代なんです
治療方針も前より良くなってきて、私すごく嬉しいんです

日々研究している方達に、感謝したい」


「美桜、ありがとう」


池治先生は、私の話を聞いて目頭が熱くなったのか、目元から頬にかけて大粒の涙が流れていた。


イケメンの顔を崩さないで泣いている。



そっか、池治先生はお父さんが癌で亡くなったことを知っているってことだよね…



じゃなきゃ、泣く理由なんて分からない。
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