~天使ロード~
「準備終わったのかい?」


「うん!
風邪治ったから、食欲わいてきちゃった」


「じゃあ、車の中でお父さんが作ったサンドイッチでも食べるか!」


「えーやったーー!!!」


「美桜、行こう!」


私はお父さんの後について、玄関を出た。

この部屋とももうお別れか~。



何だか寂しくなるなぁ・・・


″ありがとうございました″


私は一礼をし、お礼を言って再び歩き出した。



駐車場に向かうと、そこには池治先生がいる。


「久隆久しぶりだな!」


「圭司さんだって、元気そうじゃないですか!」


「今日はよろしく頼むぞ!」


「任せてください」


「ね、お父さん!二人はどういう知り合いなの?
だって池治先生、私の小さい頃を知ってるんだよ?」


「それはお父さんが教えたから知ってるに決まってるよ!
久隆はな、俺の元生徒だ!」


「そうなの?」


「俺に憧れて教師の道に進むと言っていたが、まさか本当に教師になるとはな………」


「圭司さん、でも俺働く学校変わるんですよ!
抜擢されてもっと地位の高い学校に移ることになりました
それも圭司さんの母校」


「それはすごいな!よくやったぞ!久隆」


「そろそろ池治先生って呼ぶのは止めてくれるかな?
美桜ちゃん

それに俺、青柳くるみの兄の青柳久隆だから!」


「え!?そうなんですか?
だから道理で青柳さんがおとなしい訳だ…
ってえーー?」



私は、目を見開きすぎたおかげで
目は乾燥し、次第にちょびちょびと涙が出てきた。
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