~天使ロード~
保健室に入ると、保健の峰岸先生が
笑顔で尋ねてきた。

保健室は、独特の薬品の匂いを上回るかのように、柑橘系のアロマの香りが鼻につ~んと香る。

ベットは二台置いてあって、一ヶ所だけカーテンで仕切られている。

きっとあそこに佐藤くんが眠っているんだ!


「あら、里中ちゃんじゃないの!
どこか怪我した?それとも具合でも悪い?
それとも佐藤くん…?」


ヤバイ、先生の図星がまるっきり当たってる。
こういう時って、何て言えばいいんだろう…
本当のこと言った方がいいよね?


「はい、佐藤くんが心配で会いに来ました
それより佐藤くん大丈夫なんですか?」


「軽い貧血よ!全く何やってんだか…
あれほど体に負担かからないように言ったのに」


先生が佐藤くんに対して、ぶつぶつと文句を言っている。


「先生?」


先生はハッと我に返り、温かいココアを淹れてくれた。


「ごめんね、独り言
一つだけカーテンで仕切ってる所があるでしょ?
そこに佐藤くんがいるわ
ココアここに置いて置くわね!」


「はい、ありがとうございます」


私は不安と戦いながらも、カーテンに手をかけて開けた。


そこにはすやすやと眠る佐藤くんじゃなく…

明らかに起きている様子の佐藤くんだった。




まさかだと思うけど、全部話しを聞いていた訳じゃないよね…?
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