~天使ロード~
私は椅子に腰掛け、さっき峰岸先生が淹れてくれたココアを飲む。

まだそのココアは、加湿器みたいに湯気がたっていて、顔を近づけふうふうするとほんのり湯気がかかった。


あれ?そういえば峰岸先生どこ行ったんだろう?


「おい!何で俺から逃げるんだよ?」


「逃げてないよ!ただココア飲みたかったから」


「俺に一言言えよ!」


「ごめん…」


「ココアに生クリーム入れるとうまいんだよなー!!」


「甘そうだし、太る」


「お前、正真正銘の女だな」


「女じゃなかったら、私は何だって言いたいの?」


「う~ん
それは…人間」


「意味分かんない!私達人間じゃん!!」


「俺は生まれ変わったら犬になりたいなー」


「犬?寿命人間より短いよ?」


「確かにそうだけど…」


「構ってもらえなかったらどうするの?」


「里中は、虐待みたいなことしないよな?」


「するわけないでしょ!当たり前じゃない」


「なら俺は星になる」


「またまたどうして?」


「俺が星になったら、里中の願いを何でも叶えてやるよ」


「そんなの無理に決まってる」


「冗談だよ!」


「もう、冗談言わないで」


「ごーめーん」


何よ。
佐藤くんおかしなことばかり言って…


佐藤くんは私を笑わせようとしているの?



今の私…笑ってない?


それとも顔がにやけてキモい?






佐藤くんの目には、私はどんな風に見えていますか…?
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