～天使ロード～

「佐藤くん…」


「そう、当たり～
美桜には簡単だったみたいね！」


「で、本題に入るけど何でお父さんが佐藤くんを知ってるの？」


「それは、ナ・イ・シ・ョ」


いやー、ここで乙女振るの止めてよ。
せっかく良いところまで聞き出そうとしたのに～


「ひどい
お父さんってそういう人だったんだ…
少し失望した」


「分かったわよ、もう
実は佐藤くん、私が預かってるのよ！
佐藤くんのお父さん、まだ佐藤くんが小さかった頃ね…私に預けたまま行方不明になってまだ帰って来ないの

どこに行ってるのかしらね」



「そうなの？
あ！佐藤くんのお母さんは？」


「お母さんは浮気して失踪中
今頃新しい亭主とのうのうと暮らしてるんじゃない？」


「え…そんな…
そんな複雑な家庭だったの？
どうしてこうも世の中は不公平なの
こんなのあってはならないよ」



「冗談よ！」


「はぁ～！？冗談ってどういうこと？」


「本当は、道端にいた子に片っ端から話しかけたの
それが無視する子が多くてね、でもその佐藤くんは快く引き受けてくれたのよ！」


そりゃそうだろ～いい歳して、イケメン君にナンパかよ。


よく佐藤くん断らなかったよね…



いや、私のお父さんの顔が佐藤くんに知られてしまった。




オネエだってことが………。



ぎゃあ～いや～


佐藤くんの軽蔑する目が私に痛々しく降り注ぐのが、目に見えてるよー…