~天使ロード~
キッチンにある食卓用テーブルに出向くと、お父さんがシチューの盛り付けをしてくれていた。


「美桜、あなたって子は私に似て料理が上手なのね~」


「お父さん、私はお母さんの代わりを務めているだけだよ!
いつも感謝しているから」


「美桜は何て優しい子なの
こうなったら意地でもいい人を見つけてもらわなくちゃ!」


お父さんが青春時代にタイムスリップしたかのように、目を大きく輝かせウキウキしていた。


「ありがとう
でもお父さんの力を借りなくても大丈夫!!」


「何々!?
好きな人でも出来たの?」


「バレた?」


「バレバレよ!
お父さんの目は誤魔化せないわ
で…その子って誰なの?」


「教えな~い
ナイショ!!」


「あら、美桜のケチね…
教えてくれなかったら、シチュー無しにするわよ?」




お父さんにいつまで相手をしなくちゃならないの…


そのシチューを作ったのはこの私。


もしお父さんに私の好きな人を教えたら、お父さんに好きな人奪われちゃうかも!


なんちゃって。

歳のこともあるし、何せただのおっさんは相手にしないでしょ!



相手にその気が無ければね!



父の歳37
母の歳39


そう、私の家はお母さんの方が年上なの!

だから何かあったら、お母さんの頭に火が付き、雷がドカンドカンと頭上に落ちてくるかも。




容赦するのは禁物で、もしそのようなことがあったら…
本当のことを打ち明けましょう。
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