~天使ロード~
「それって立派な犯罪だよ!
警察には行かなかったの?」


「その時した契約サインの詳細見てなかったんだよね」


「詳細!?」


「ほんの極小の字でこのお金を青柳財閥に寄付する
って書いてあったんだ!
だから詐欺には問われないらしい
だって募金するのと同じだから」


「そうなんだ…」


「でも今は個人でバーを経営してるし、たまに有名人も来店するくらい繁盛してるのよ!」


「お父さん、すごいよー!
今度テレビに出たりして!!」


「それはないわ
それにしても青柳財閥も可哀想なものね
倒産危機に陥るなんて…
ざまぁ見なさいって感じ」



「ねぇお父さん
青柳さんってお金で友達を買ってるんだ
もし青柳財閥が倒産したら、青柳さんの元から友達いなくなっちゃうのかな…?」


「それはどうかな
案外お金じゃなくて、本当の友達になってるかもよ?
でもね美桜、いくら悪いことをされても、相手に仕返しをする子になっちゃダメ
自分の心に封じ込めるの
お父さんが美桜の辛い気持ち、全部受け止めてあげるから」


お父さん・・・
ありがとう。


でもありのままのお父さんの姿で
出来れば言って欲しかった。



もし、両親が離婚しなかったら
お父さんオネエになってなかったのかなぁ…



もっとお父さんと一緒にいたかった。




最初は冷たいことばかり言っていたけど、お父さん大好きだったから。



こんな形になってしまったけど、再会出来てすごく嬉しかった。


10年の月日は長いようで短かったんだよね。



お父さん、私を見る目変わったよ。
私、大きくなったでしょ?


あの頃はまだ小学生で幼かったでしょ?



大きくなった私を見てどう思った?どう感じた?




私達姉妹の成長、心待ちにしてたんだよね?お父さん。




すごくすごく会いたかったよ。
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