~天使ロード~
私は拳に力を込め、思い切って話掛けてみることにした。

でもやっぱり緊張してしまう。


「あ、あの、佐藤くん」


「ん?何?」


「何で私を見つめてるの?
それに泣いてる?」


「って、里中さんか…」


「私でガッカリした…?」


「俺、何か知らないけど…
ずっと里中さんを見ていたんだ
あー、しかも俺泣いてないし~」


「そっかぁ!顔に何か付いてる訳じゃないよね?」


「違う
もし付いていたら、俺が取ってあげるし!!
でも里中さん俺と同じ匂いがする」


口角を上げ、俺様みたいな目線で私を見てきた佐藤くん。


「匂い?何嗅いでるのさ~」


「だから違うって!!」


「じゃあ何?」


「なんというか、その…
俺達、仲良くなれそうだな」


そう言った佐藤くんが教室を飛び出して行った。


意味分からない。


同じ匂いがして、それに仲良くなれそう?


私と佐藤くんが…?



ありえない、ありえない。



見た目は隠れキャラで、中身が超不細工を演じているけど、顔はめちゃくちゃイケメン!!!



色々な意味でモテるから、話しかけたくなかったのになぁ~
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