声を聞くたび、好きになる

 そもそも、私に女としての魅力があったら、流星はとっくに私に振り向いてくれてるはずだ。そうだよ。それなのに、私は今まで何を期待していたんだろう。

 女として魅力がある以前に、人として魅力があるかどうかもあやしいし……。

 まさか、日記を見られるなんて。


 これまで、ずーっと穏やかな線で保たれていた流星との関係が、日記を見られたことで崩れてしまったような気がした。

 幼なじみだからこそ永遠に続くような気がした流星との時間は、幼なじみだからこそあっさり消え去ってしまうのかもしれない――。


 突然、目の前から流星がいなくなる予感がして、寒気を覚える。こわくなった。

 日記の件からずっと流星からの連絡を無視してきたけど、そんな私の行動は間違っていたんじゃないかって気がしてくる。

 焦る気持ちで、私は流星からの未読メールを開いていく。この一週間、内容を見るのがこわくて見ないようにしていたんだ――。

《ミユ、電話出てほしい。》

《チェーンかけるなんて、あからさますぎる。合鍵持ってる意味ないじゃん。開けてほしい。》

《日記を勝手に見たこと、反省してる。本当にごめんな。ミユのプライバシーに踏み込んで傷付けたと思う。》

《メールや電話じゃなく、直接謝りたい。ごめんな。》
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