I still look for you.
月
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「っは…‼︎‼︎」
真っ白な部屋で勢い良く目を覚ました。
何度見たかわからない、あの日の悪夢二よって尋常ではない汗をかいてる。
その汗を吸ったTシャツは重くぐっしょりとしていて、身体に張り付いた。
「気持ち悪い…。」
気にする人の目がないのをいいことに豪快にTシャツを脱ぎ捨てる。
床に落ちたそれは、普段の乾いた音ではなく、ぐしゃっというような水々しい音を立てた。
それを気にすることなくもう一度横になろうとしたが、ふと気づいた。
今日は大切な日ではないか。
それを思い出した瞬間、上半身裸のままあたしは部屋を飛び出した。
幸い同居人はもう出かけていた。
こんなところ見せたらそれこそ口うるさい説教が待っているだろう。
脱衣所で手早く服を脱ぎ、浴室で手早く汗を流し、目的地に行くために着替える。
「きょ、う、はー…。
これだっ‼︎」
呑気にリズムを刻みながら、部屋のクローゼットからピンとのりのきいた制服を取り出す。
「くくっ。
こんなの着てるだなんて、思わないだろうなー。」
驚く彼女を想像するだけでわくわくとテンションが上がる。
けど目的の彼女と同時に浮かぶ邪魔者どものせいでそのテンションも急降下した。
「あーあ、ウザいなぁ。」
最大限の憎しみを込めた声が一人きりの部屋に響いた。