あと、11分




「いないって、なんだよ……!お前は、いるだろっ、ここに、」


泣きたくもないのに、俺の声は情けないくらいに震えていて。

これじゃあまるで、分かってたのに知らないふりをしたガキみたいじゃないか。


シキは、そんな俺を涙いっぱいに溜めて、震える声で言った。






「わたしは、




 ───2891分で、2日と11分で───




 存在を、意味を……〝ここ〟から剥奪される」




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