あと、11分
「あそこの屋上、今は閉鎖されててさ」
「どこの学校も屋上なんて使えるとこ、ないでしょ普通」
漫画でもあるまいし。
「いや、そうじゃないんだよ。数年前までは使われてんだ」
「……は?」
凪のほうを見る。
人差し指を宙で円を描くように動かしながら、
「でも、ある事件をきっかけに閉鎖されたんだよ。ほら、言ったろ。
───学校の七不思議の一つに、〝自殺した少女〟ってやつ」
そう、言った。
自殺。
こんな変哲もない学校で起きた、非日常。
自殺した少女───確か、凪が二日くらい前に言っていたやつだ。ある日自殺して、そして、その日に様々な怪奇現象が起きたって。