あと、11分


「あそこの屋上、今は閉鎖されててさ」

「どこの学校も屋上なんて使えるとこ、ないでしょ普通」


漫画でもあるまいし。


「いや、そうじゃないんだよ。数年前までは使われてんだ」

「……は?」


凪のほうを見る。

人差し指を宙で円を描くように動かしながら、


「でも、ある事件をきっかけに閉鎖されたんだよ。ほら、言ったろ。


 ───学校の七不思議の一つに、〝自殺した少女〟ってやつ」


そう、言った。

自殺。

こんな変哲もない学校で起きた、非日常。

自殺した少女───確か、凪が二日くらい前に言っていたやつだ。ある日自殺して、そして、その日に様々な怪奇現象が起きたって。


< 192 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop