あと、11分



中に入っていたのは、小さなクローバーの栞のペンダント。そして、4つに折りたたまれた紙。


白かったであろう、紙は今はもう茶色く皺しわになっていた。
 

それを手に取って、広げた。そして、声を荒らげて香澄は泣く。




『2人が、幸せでありますように。お姉ちゃんより』




シキは、香澄を恨んでなんてなかった。

自分が死んでしまった後も、幸せであることをずっと願っていた。


そして、シキは泣き叫んで自分の名前を呼ぶ弟の手にそっと、自分の手を重ね合わせた、そのとき。



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