あと、11分


「……ふ、」

「く、」


「あははははははははははっ」

「ふ、ふふ……っ」


緊張が解けて、俺たちは笑いあった。

すうっと何か黒いものが抜けてくみたいな、爽やかな笑い声が教室に響き渡る。


「あーほんとびっくりした」

「見つかるかもって、すごい緊張したよ」

「ホント、シキって怖がりだな。手握りすぎ。壊れるかと思った」

「そ、そんなこと……ない、よ」


シキが握っていた手をぱっと放して、むすっと頬を膨らませる。

俺がそれでも笑うんだから、シキはとうとう怒って立ち上がって俺から離れていく。


つられて立ち上がる。


「怒った?」

「……怒って、ないわ」


(嘘つくの、下手かよお前は)


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