あと、11分


***

昇降口から出ると、さっきまで降り続いていた雨は止んでいた。

上を見上げる、まだ厚い雲に覆われていて油断したらまた振ってきそうだった。


「雨、降るかな」


半歩後ろで歩いていたシキが、俺と同じように顔をあげて雲を見上げながら、そういった。

その足元が少しだけ早歩きになっていたことに気づいて、俺は少しだけ歩くすピートを緩める。


「傘持ってる?」


シキが小さく首を振る。


「じゃあ、雨降ってきたらどっかで雨宿りがてら遊ぶ?」

「……い、いいの?」


戸惑ったようにシキが首を傾ける。

どうやらシキは根っからの真面目体質の様だ。授業とかサボったことないんだろうな、こいつは。

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