ハンズ
302号室

さっき、ナースステーションで教えてもらった番号。


その白いドアの前に立ち竦んだまま気を落ち着かせ、ゆっくりとドアノブに手をかける。

あの瞳を思い出すと早くなり始める、俺の心臓。


回そうとした瞬間ーーー



「あなた…
雅美君?」

急に呼ばれ、振り返ると

そこには白いパンツスタイルの白衣に身を包んだ女性が、静かにこちらを見つめていた。
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