ハンズ
「いえ…
雅美は、8年前に死んだ俺の兄貴の名前ですがーー」


振り返った先にあった、真剣な眼差し。

その真剣な瞳に思わず初対面の人だということも忘れて、質問に答える。


「俺、弟の巧って言います。」

暫くの間、その女性はジッと俺の顔を見ていたが、納得したかの様に頬をピンクに染めて頷いた。
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