ハンズ
「それ、千尋ちゃんから。」



2人で、手元にある便箋に目を落とす。

ライトブルーのシンプルな便箋は、サイダーのガラス瓶を溶かしたような、優しい色。

千尋が最初にくれた、手作りの栞を思い出す。



何も言えないまま、ただボンヤリと見つめた。
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