箱の中の苺/S


「祐也っ、聞いてるの!」



ヘッドフォンをしていても、彼女の声は頭痛を誘うほどに聞こえていた。

なぜならそこに、音楽など流れてはいなかったから。




何度改造をくり返しても、ハードの稼動音をゼロにすることができなくて、仕方なくこれでごまかしている。



僕は、彼女の声を含めたあらゆる雑音が嫌いだった。


うるさくて、うるさくて。

全部消してしまいたくなる。




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