ハートの形した花





「じゃあ、次は、池の水温ね。白石、温度計」




「え?あれ?香恋ちゃんに渡さんかったかいの?」




「え?香恋?もらってないけど・・・」




「あれ?間違えてジュース女・・・」




「誰がジュース女よ!」




「い、いや、九さんに渡さんかったかいの?」




「さあ?ケースはあるけど、中身はもらってないわよ?」




「ええー!?あの中には温度計入っとったんじゃ!」




「はあ?そんなの聞いてないわよ。蓋もないし・・・」




「蓋は、京介が持っとるはずじゃ」




「いや、俺、今日、温度計に一切触れてないし」




「あんたねー、一体何しに来てんのよ!?」




「うるせーなー。お前だってジュース飲みたいなってごねとったやん」




「じゃあ、結局、体温計は・・・」




「温度計ですけん、香恋ちゃん」




「うっさい、白石」




「ううっ・・・香恋ちゃんに嫌われたー!!」




「そんなことはいいとして、一体温度計はどこに行ったのよ?」




問題勃発。
平和はそう長くは続かないというわけだ。




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