ハートの形した花





「はい。全然ありません。むしろ元気です」




喧嘩を売っているのか、九は物おじせず、先生にそう言い放った。
しかし、北村先生は、そこには触れず、




「そうか。それはよかった」




そう優しくつぶやいた。




怒らない・・・のか。
他の先生なら、「管理がずさんだ!」とか「何をやってる!!」とか言うところだが、北村先生は、第一声で俺たちの心配をしたのだ。




本気で怒っているからそう言っているのか、将又、本当に怒らない人なのか、理由はわからないけど、普通に怒られるよりも申し訳ない気持ちでいっぱいになった。




「ただ、やったことには責任をとってもらうぞ。今日の宿題で今のことを反省文にしてもらう。班だけにな」




そう笑って北村先生は、帰って行った。




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