ハートの形した花





そういえば、白石の姿がなかった。
サボっているのだろうか。
いや、香恋の手前、そんなことはできないはずだ。




「白石は?」




「白石ならさっきでっかい木をビニール袋に何とか詰めようとしてたよ。馬鹿だよねー」




なるほど。
確かにそれはゴミには分類されるだろうけど、さすがにスーパーのビニール袋には入らないということを知らないらしい。




「ねえー、もういいんじゃない?つーかーれーたー」




九が砂とかいっぱい入ったビニール袋を引きずってこっちに来る。
引きずっているもんだから、穴が空いて、周りに砂埃が立っていた。




「うーん、香恋もそう思うけどな・・・ねえ、京介くん」




そうだな。
とりあえず、北村先生のところに行こうか。




そう思ったその時、白石が走ってやってきた。




「おーい!ちょっと来てくれんかー!」




俺を含め、三人とも冷めた目で白石を見た。




「いやいや、いいもの拾ったんじゃ!」




しょうがない。
行ってやるか。




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