ハートの形した花





「なるほど。それは確かに楽しそうやな」




俺は、休み時間に九と一緒に、住岡を誘ってみた。
俺の唯一の理解者だ。
こいつなら、いろんなアイデアとか出してくれそうだ。




「確かに楽しそう。やけどなーうーん・・・」




どうやら乗り気じゃないらしい。
住岡なら乗ってくれると思っていただけに、この反応は、ちょっと悲しい。




「頼むよ。一緒に楽しもうや」




「まあ、楽しそうではあるんやけど、お前、他のメンバーの当てとかあるん?」




ギクッとした。
いくつかあるにはあるが・・・
10人を揃えることには自信がない。




「そんなんで、乗る奴なんかおらんって、普通」




住岡はいつもそうだ。
冷静で分析力があって。
そういう判断力がサッカーにも表れている。




けど。
ここで引いてはいけないと思った。
ここで引いてしまうと、他のメンバーなんて集まらないと思った。
それに住岡の存在はでかい。
こういうイベントには、住岡の力が必要不可欠だった。




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