ハートの形した花




押したのだ。
九が。




「これでいい?」




初めからそうするんだった。




「はーい」




家の中から声が聞こえた。
おそらく、琴吹のお母さんだろう。




「あら、いらっしゃい。理子よね?」




俺たち三人は頷く。




「ちょっと待ってね。理子ー!お友達ー!」




二階から「はーい」と言う琴吹の声が聞こえた。




< 169 / 345 >

この作品をシェア

pagetop