ハートの形した花
「お前、何やら面白そうなこと考えとるみたいやん?」
「なんで知っとるん?」
「アホか!あの旧東京女に自慢されたわ!!」
旧東京女は、香恋のことだろう。
「"香恋ねー、京介くんと納涼大会するんだー!いいでしょーざまあwww"やで!?腹立つわ!」
確かにそれは俺でも腹が立つ。
「ええか?京介!うちも参加するで!?ええ!?」
俺は、急に笑いがこみ上げてきた。
俺はこの数日間、なんてつまらないことで悩んでいたんだろうか。
相生とのことが知れ渡り、みんな俺との距離をとるものだから、俺のことが嫌いになているとばかり思っていた。
しかし、そうじゃなかった。
距離をとっていたのは俺のほうだ。
「こら!何笑っとんや!!?」
「ああ、ごめんごめん。よろしく頼むよ!」
「はあ?そうやないやろ?」