ハートの形した花
そのあとから、有希お姉ちゃん達家族と母さんが入ってくる。
「さあ、どうぞ座ってください」
そう相生のお母さんに言われて、みんながソファーに座る。
相生はというと、ソファーから立ち上がり、柱時計のすぐそばで立っていた。
俺は、これが今、どういう状況なのかわからなかった。
なぜ、相生の家に俺と母さん、有希お姉ちゃんとその家族がいるのだろうか。
これは一体どういうことなんだろうか。
「あの、京介くん・・・だっけ?」
相生のお母さんが、お茶を運びながら俺に話しかけてきた。
「ちょっと悪いんだけど、これあげるから、真希と一緒に神社でお守り買ってきてくれないかな?」
そう言って相生のお母さんから1000円を差し出された。
もちろん、戸惑った。
それは、1000円札を渡されたこともそうだけど、何より、相生と一緒に二人でおつかいを頼まれたことにびっくりしたのだ。
母さんは、こういう時、
「いや、悪いですから・・・」
なんて言うんだろうけど、今日に限っては、
「気をつけてね。真希ちゃんを守ってあげて」
と言ったのだ。