ハートの形した花




さて、困った。




どうしたものか。




こうして相生と二人っきりで歩いている。




相生のことはもう好きではないのに、なぜかドキドキした。
どうせなら、好きでいたその頃にこうして一緒に並んで歩きたかった。




相生は、道中、無言で何も話さない。
ますます気まずい空気が流れる。




もう相生のことはどうも思っていない。
それなら、こんなに気まずくなる必要はないはずだ。
それに、俺には気になることがある。
もしかしたら、相生なら何か知っているかもしれない。




俺は、勇気を振り絞った。
もしかすると、あの時、告白した時以上の勇気を出したかもしれない。
そして、思い切って一言、




「なんで俺、相生の家に来たん?」




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