ハートの形した花




「え?それならお母さんに聞いてみる?」




相生は、そう言ってくれた。




「でも、大丈夫かね?」




「大丈夫やろ!お兄ちゃんの頼みなら聞いてくれるって!じゃあ、今日の放課後、一緒に帰ろうねー!」




そう言って駆けていく相生の後ろ姿を見て、俺は2つのことを思った。




1つは、相生に対して恋愛感情はもうないということ。




それは相生のことを嫌いになったとか、そういうことではない。
俺たちが従兄妹同士だという事実だけで満足だった。




一緒に何かできる、楽しめる、笑い合える
それだけで良かった。




もう1つはというと・・・




「お兄ちゃん」って呼ぶのやめてもらえませんかね?




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