ハートの形した花




放課後、相生と一緒に帰った。




道中、俺たちは今日も大島がバカなことをしていたとか、大島が北村先生に怒られていたとか、そういうことを話しながら歩いた。




「こう考えると、琴吹って大島のどこが好きなんかね?」




「んー、やっぱり、おもしろいとこやない?」




そうだろうか。




「そういえば、相生は高瀬のどこが好きなん?」




自分でも驚いたが、好きではないとわかるとこんなことも平気で聞けるのが、小学生らしい。




「んー、やっぱりおもしろいとこかね」




そうだろうか。




「お兄ちゃんこそ、好きな人、いないの?」




いくらもう好きではないとはいえ、上目遣いでそんなこと聞かれると、ちょっとだけドキッとする。




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