ハートの形した花
「創立記念日。まあ、学校が作られた日ね」
ああ、そういえば、なんかそんな日あった気がする。
一年前に。
「学校が休みってことは、先生方に相談したら、もしかしたら願いきいてくれるんじゃないかしらね?」
「うーん、そうでしょうか・・・」
「試しに北村先生にお電話してみたら?」
「え?今からですか!?」
「善は急げよ。さあ、早く早く!」
相生のお母さんに促され、電話の前に来て、受話器を取る。
が、なかなかボタンが押せない。
そりゃそうだ。
「あの、学校の電話番号は・・・」
「ああ、ごめんなさいね。忘れてたわ」
そう言って、相生のお母さんは、090・・・っとボタンを押していく。