ハートの形した花




納涼大会の準備も整い、部屋もだいぶ片付いた頃には、もう6月1日になっていた。




こうして見ると、嫌でも引っ越すんだという実感が沸いてくる。




「やっぱり、引っ越しちゃうんだねー」




俺の椅子に座りながら九が言う。




「まあね。もう家も決まってるし」




「次の家ってどんなとこ?」




「今より広いよ。眺めもいいし、学校から近いし」




「川はあるの?」




「川はないね・・・」




「そっかー。残念」




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