ハートの形した花
「私ねー、京介くんとここで出会えたから今、こうやって毎日が楽しいんだと思うんだよね。それってさ、すごいことじゃない?」
「え?何が?」
「京介くんが」
「そうかね?」
「そうだよ。だってさー、誰かを幸せにするってそう簡単にできることじゃないし、私みたいな人だったら尚更ね。だから、京介くんにはそういう才能、あると思うんだよねー」
「ええ?それってすごいか?」
「すごいって。人を幸せにできる才能」
「人を幸せにできる才能・・・かあ」
「うん。だからさ、納涼大会もきっとうまくいくよ!大丈夫。お別れするときは、みんなと笑ってバイバイしよ?」
そうやって草冠を被り、笑顔を見せるこの子とこうして話せる時間もあと少し。
この時間がずっと続けばいいのに。
そう思った。