ハートの形した花




邪魔者は消えた。
と同時に、クラスのみんなが転校生二人の前に集まる。




「ねえーどっから来たん?」




「その制服、なんかすごっ!」




「体重何キロ?」




トーンを低くして、盛り上がる。
俺はというと・・・




興味がない。
他の転校生には興味がない。




俺も、ちょうど二年前はこうだった。
転校生ってだけで、動物園に来たパンダ状態。
猿に触られたモノリス状態だった。




高柳はもちろん、恋ヶ窪も机についてプロフィールを書いている。




「お前も行かんでええんか?」




高柳が話しかけてくる。




「興味ない」




「ふーん、ほな、お前は?」




香恋に話しかける。




「香恋も嫌い」




< 42 / 345 >

この作品をシェア

pagetop