ハートの形した花
邪魔者は消えた。
と同時に、クラスのみんなが転校生二人の前に集まる。
「ねえーどっから来たん?」
「その制服、なんかすごっ!」
「体重何キロ?」
トーンを低くして、盛り上がる。
俺はというと・・・
興味がない。
他の転校生には興味がない。
俺も、ちょうど二年前はこうだった。
転校生ってだけで、動物園に来たパンダ状態。
猿に触られたモノリス状態だった。
高柳はもちろん、恋ヶ窪も机についてプロフィールを書いている。
「お前も行かんでええんか?」
高柳が話しかけてくる。
「興味ない」
「ふーん、ほな、お前は?」
香恋に話しかける。
「香恋も嫌い」