ハートの形した花
それは明らかに白石ではなく、九に対して言っていた。
「いや、でもあの九とか言う女、絶対お前と気が合いそうやけどな」
高柳がニヤニヤしている。
「あんたこそ、あの白石ってでかい子とお似合いじゃない?」
「なんやと?」
「何よ?」
にらみ合う両者。
相変わらずの犬猿の仲だな。
そう思ったその時だった。
「ねえ、マジうざいんだけど、消えてくんない?」
九が群がってくる野次馬にそう言い放ったのだ。
野次馬がざわつく。
確かに気持ちがわかる。
俺も二年前はうざいと思っていた。
しかし、いくら何でも・・・
「うざいはいいすぎやろ?」
高柳がボソッと言い放つ。