ハートの形した花
そう言い放ったのは、香恋だった。
香恋は立ち上がり、高柳と九に近づいていく。
「うざいけど。少なくともこんなやつは、同じ東京人として恥ずかしいわ」
どうやら香恋は高柳を擁護しているらしい。
「はあ?あんたも東京人?」
「そうよ。テレビで見たことない?」
「テレビ?・・・あっ!あんたまさか・・・」
どうやら九も元天才子役、恋ヶ窪カレンの存在を知っているようだ。
まあ、知らない方がおかしいのだが・・・
「こ、恋ヶ窪カレンちゃんじゃー!!」
大声で言い放ったのは、九ではなく、白石だった。
「僕、ずっとファンじゃったんじゃ!」
白石は、香恋の前でなぜか土下座をした。
「え?えっと・・・」
出端を挫かれたように、香恋が戸惑っている。