ハートの形した花
席替え。
そう言えば、この学校になってから初めてだった。
由美先生の時も、雪石先生の時も席替えはなかった。
なぜなかったのかはわからないけど、めんどくさかったからなのだろう。
大人の都合ってやつだ。
俺の25番は窓際の一番後ろの席。
まあ、悪くないか。
ただ、ここで重要なのは、俺の席の近くだ。
席の近くにしゃべれるやつがいないと、授業が退屈だ。
大島と住岡、高柳も不発となると、あとは、永遠のライバルこと、川田か、琴吹、西田、香恋、相生は・・・気まずい。
俺の隣は・・・
「やったー、佐和ちゃん後ろー!」
喜んでいる茶髪のポニーテール。
よりによってお前か、九。
九。
こいつと仲良くなれる自信はない。
香恋で慣れているとはいえ、さすがに無理がある。
そして、さらにまずいことに・・・
「やったー、香恋、今度は京介くんの前じゃん!」
「よっしゃ!!カレンちゃんと隣同士じゃ!!」
まじか。