ハートの形した花





俺は、意を決して振り返った。




すると、後ろにいたのは変質者というか、何というか。




着崩した制服、茶髪のポニーテールの女子、
今日転校してきた九佐和子だった。




「あれえ?なんか見たことある人だなって思ってたけど・・・よく見たら佐和の隣の子じゃん!」




九も俺の存在に気づいたみたいだ。




「なんでついてくるん?」




「はあ?何それ?」




「いや、学校を過ぎた辺りからずっとつけられとる感じしたんよ」




「そんなこといっても、佐和の家、こっちだし」




本当だろうか。




「あー、今、疑ったでしょ?本当だよ。ほら、地図もあるし」




そう言って九は地図を見せてくれた。
地図には、赤い×印がついてあったのだが、その場所が問題だった。




「あのさ・・・この赤い×のとこがお前ん家?」




「うん、そうみたい」




「ここさ、俺ん家なんやけど」




< 58 / 345 >

この作品をシェア

pagetop