ハートの形した花
俺は、意を決して振り返った。
すると、後ろにいたのは変質者というか、何というか。
着崩した制服、茶髪のポニーテールの女子、
今日転校してきた九佐和子だった。
「あれえ?なんか見たことある人だなって思ってたけど・・・よく見たら佐和の隣の子じゃん!」
九も俺の存在に気づいたみたいだ。
「なんでついてくるん?」
「はあ?何それ?」
「いや、学校を過ぎた辺りからずっとつけられとる感じしたんよ」
「そんなこといっても、佐和の家、こっちだし」
本当だろうか。
「あー、今、疑ったでしょ?本当だよ。ほら、地図もあるし」
そう言って九は地図を見せてくれた。
地図には、赤い×印がついてあったのだが、その場所が問題だった。
「あのさ・・・この赤い×のとこがお前ん家?」
「うん、そうみたい」
「ここさ、俺ん家なんやけど」