ハートの形した花
結局、俺の部屋で話すことにした。
お金もかからないし、まあ、いいだろう。
「へー、ここがあんたの部屋なんだー」
九が物珍しげに見ている。
ちょうど勇気も友達の家だし、ここならゆっくり話せるだろう。
というか、この部屋に女の子を呼んだのは初めてだった。
一応、有希お姉ちゃんは来たことはあったけど、
クラスの女子は初めてだ。
あの高柳ですら来たことがない。
「あ、これ、むかーし流行ったやつだよね?」
棚に置いてあったしゃべる人形を手に取る九。
その姿は、ごく普通の小学生と変わらなかった。
「やるんやろ?」
俺は、弟の勉強机の椅子を九に座らせ、ノートを広げた。