ハートの形した花
斬新な授業





逃亡作戦?
そんな名前だったか・・・




とりあえず、九とのその作戦は未遂にもならなかった。
まあ、これで良かったんだと思う。




九もちゃんと学校へ来ていた。
相変わらず、群がってくる野次馬をことごとくスルーしてはいたが、俺が席へ着くと微笑んでくれたような気がした。
まあ、これから九もこのクラスに馴染んでいけるだろう。




ただ、心配なことは、俺たち自身、このクラスに馴染めるかどうかだ。
クラスのメンバーは一緒とはいえ、先生は違う。
しかも、あの北村先生は、どこか計算高く、厳しいように思う。




大島と高柳の授業態度を瞬時に見極め、席替えを果たすなど、今まで出会った先生の中にいただろうか?
あの小3の時のベテラン先生、雪石(ゆきいし)先生ですら、そういうことはしなかった。




何者なんだろうか。




「おーい、京介。お前、宿題やったん?」




大島が算数のドリルを持って俺のところへやってきた。




「宿題?そんなんあった?」




「ええ?お前も忘れたんやー!よっしゃ!仲間!!」




大島は俺の手を取り喜んでいる。




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